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フレンチブルドッグのポコネッタの話

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ポコネッタは恵まれた夫婦に育てられた子犬。

可愛らしい外見と人懐っこい仕草で人一倍愛情を注がれています。

 

中でも、ご主人が作ってくれるスープが大好物。

いつも美味しそうに食べるポコネッタの姿を見て、ご主人が誕生日にスプーンのネックレスをプレゼントしてくれました。

 

そんな素敵な生活を送るポコネッタでしたが、徐々に暗雲が立ち込めます。

 

ご主人の仕事がうまくいかなくなり、奥さんと喧嘩する姿をたびたび目にするようになります。

奥さんは家を出て行ってしまい、ご主人は頭を抱えて虚ろな目をしています。

悩みで思い詰めていることは、子犬のポコネッタも感じ取っていました。

 

そんなある朝、ポコネッタはオフィス街のビルの隙間に置かれたダンボールの中で目を覚まします。

 

いつもとは全く違う景色。

そこには、ご主人も大好物のスープもありません。

 

見知らぬ通りがかりの人が頭を撫でていくだけで、周りをいくら見回してもご主人の姿はありません。

空腹の中で、ご主人との思い出のスプーンを見つめるポコネッタ。

 

人生で初めて、何も食べない時間が流れ、そして、不安な夜を過ごします。

しばらく眠れませんでしたが、人通りがパタっと止まると安心したのか、ウトウトと眠りにつきました。

 

翌朝、目を覚ますと、ダンボール箱の横にスープがありました。

いつものニオイ。そして、いつものお皿。

 

ご主人が迎えに来てくれたのだと嬉しくなって涙を流しながら、スープを食べるポコネッタ。

スープを平らげて、周囲を見回しますが、ご主人の姿はどこにもありません。

そして、現実に引き戻され、ポツンと1人佇むポコネッタ。

昨日と同じように、自分の前を人影が行き交うだけの時間が過ぎていきました。

 

そして、翌朝。

また、目の前にスープが置いてありました。

 

次の朝も、その次の朝も。

ご主人のスープがあります。

そのたびに会えるかもしれない期待と不安を抱えながら、ポコネッタはダンボール箱の中からご主人の姿を目で追っていたのです。

 

そして、2週間が過ぎたときに、見知らぬ男性がポコネッタを抱え上げます。

何か笑顔で話しかけていました。

しばらく抱きかかえられていると、連れてこられたのはレストランでした。

その男性はレストランの店主で、出勤途中で毎日見かけるポコネッタをお店のマスコットにしようと考えていたのです。

 

お客さんは愛嬌のある顔のポコネッタを見て喜びます。

次第にお店は繁盛していきます。

 

空腹だったポコネッタもレストランでしっかりとご飯を食べさせてもらえるようになります。

しかし、ダンボールから離れてしまったポコネッタは、ご主人のことが気になって、外をキョロキョロと眺める時間が長くなります。

『スープが置いてあるのではないか?』

『近くのいるのではないか?』

そんな思いでレストランの中から外を見つめる日々が過ぎていったのです。

 

外ばかりを眺めているポコネッタを気に掛けていたのは、そのレストランで働く年上のウサギでした。

ウサギはポコネッタにたびたび話しかけますが、ピクリとも反応しないので不思議に思います。

 

肩を叩けば振り向きますが、話しかけても全く反応がないのです。

耳が聴こえないことに気付いた彼女はポコネッタが不安そうな表情を浮かべるたびに世話を焼いてくれるようになります。

何もわからない子犬のポコネッタを放っておくことが出来なかったのです。

 

彼女はポコネッタを心配してサポートし続けましたが、【フレンチブルドッグの子犬がいるレストラン】として日増しにお客さんは増えていきます。

そして、皮肉にも耳の聴こえないポコネッタは忙しい店内でお客さんやスタッフにぶつかることが増えていきました。

 

そんな中、ついに事件が。

ウエイターがポコネッタに躓き、お客さんに料理をかけてしまったのです。

ウエイターを怒鳴りつける客。

ひたすら頭を下げる、ウエイターと駆け寄る店主。

柱の隅で怯えながら、その光景を見つめるポコネッタ。

 

その出来事以降、ポコネッタに食事が出ることはなくなり、店内に入るだけで店主がすごい剣幕で駆け寄ってきて、追い出すようになりました。

気付けば厄介者扱いになってしまったのです。

とぼとぼと外へ出るポコネッタ。

幼いポコネッタは、行く宛もなく、そのまま街に消えていきました。

 

 

ウサギのナーリュ(Coming soon)

 

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