今回は「脳を喜ばせる食事とカラダを喜ばせる食事」というテーマで話していきたいと思います。
「脳の満足とカラダの満足の違い」と言ってもいいかもしれません。
本来は脳とカラダの満足が一致していることが望ましいです。
「おいしい食事」と「カラダにいい食事」が同じであれば最高なわけですね。
ですが、私たちの生活の中にこれだけ数多くの嗜好品があふれていて、好きなだけ食べることができると、なかなか脳とカラダの満足が一致するのは難しいと思います。
ダイエットはその脳とカラダの満足を近づけるのが成功の秘訣になってきます。
それでは、どうすればいいのかを少しずつ考えていきましょう。
1.脳の満足とカラダの満足の違いとは何か?
まず、私たちは人間として1つの個体として生きていますよね?
その中で、あなたが何かを『感じる』という、無意識の脳の動作があります。
そしてもう1つ、心臓が動き、胃が食事を消化し、腸で吸収し、血液から栄養を摂取する。
このような、無意識のカラダの動作もあります。
さらに、脳とカラダが意識して連動する動きもあります。
脳が『考え』『判断し』『行動する』、そして、カラダが動く。
という習慣的な動作ですね。
これを絶妙なバランスで行なっています。
1つの個体だけれど、意識と無意識が連動して成立しているのが人間です。
このような前提を元にして、ここでは、【食事の時の無意識の脳とカラダの満足】について考えていきます。
最初に【脳】はあなたの食べたいものを無意識に感じています。
今までの食事経験から美味しいと感じたものに反応してしまいます。
ですが、【カラダ】は動作の最適化を望んでいます。
よりよいパフォーマンスが出せる食事を好みます。
これが、無意識の脳とカラダの満足だと思ってください。
もうちょっと噛み砕いて話してみますね。
ショートケーキがあなたの目の前にあるとしましょう。
生クリームたっぷりでみずみずしいイチゴがたくさんのったショートケーキです。
これを人目を気にせずに口いっぱいに頬張ったとしたら、あなたは「おいしい~!!」と思わず叫んでしまうはずです。
これが【脳が満足する食事】です。
でも、このショートケーキが体内に入っていくと、スポンジケーキは糖質に変わり、生クリームは糖質と脂質に変わります。イチゴも糖質に変わってしまいます。
たくさんのエネルギー源にはなりますが、カラダの機能を高める食事ではありません。
これは【カラダが満足しない食事】です。
【脳が満足する食事】と【カラダが満足する食事】はイコールではありません。
まず、ここを知っておいてくださいね。
ショートケーキに限らず、旨みの強い【糖質+脂質】の組み合わせの食事はたくさんあります。
ラーメン、カレーライス、焼肉、ハンバーガー、パン、洋菓子、スナック菓子、アイスなど。
見た目や香りに誘われて、つい食べたくなってしまう食べ物だと思います。
ですが、栄養価はかなり偏っています。
あなたがお腹が空いた時に
「雑穀米と味噌汁とアジの塩焼きと酢の物が食べたい!!」
真っ先にこのような献立が思い浮かぶことは少ないのではないでしょうか?
空腹時は【脳が満足する食事】をイメージしやすいと思いますので、純和食のような食事は優先順位が高くなりにくいです。
でも、「健康に良さそう!!」とはみなさん感じているはずです。
ダイエットをしなくてはいけない人は【脳が満足する食事】を優先してきた結果だと思います。
ですが、ダイエットを始めると【カラダが満足する食事】を急に選択するようになります。
これが、大きなストレスにつながるのではないでしょうか?
まずは、この差を埋めることから考えていきましょう。
2.人は脳に引きづられやすい!?
1.脳の満足とカラダの満足の違いとは何か?で無意識に起こる脳とカラダの違いの話をしてきました。
その中で脳とカラダのどちらが先に反応するのかを知っておく必要があります。
あなたがダイエットを成功させるためには【カラダが満足する食事】を選ばなくてはいけないことはわかっているはずです。
ですが、1回の食事ですぐに『カラダが満足しているか』『体調が良くなったか』『痩せてきたか』はわからないですよね。
この結果の遅さがダイエットを諦めたり、止めてしまう理由になってしまいます。
しばらくは続けないといけません。
そこで、最初に知っておかなければいけないのは、「食事を食べたい!!」と感じるのはどこか?です。
これは【脳】ですね。
【カラダ】ではありません。
脳が過去の経験から『おいしい』『また食べたい』と感じるものに反応するからです。
満足できるものを優先して選ぶようにできています。
仕方ありません。
もし、あなたが外食をするようなら、空腹時にどんなお店に興味を惹かれるのか?
実際、どんなお店に入店しているのか?
どんなメニューをよく注文するのか?
を思い出してみてください。
メモしておくのも面白いかもしれません。
私はカレーが大好きなので、空腹時にココイチを見つけると行きたくなってしまいます。
入店すると『クリームコロッケ スクランブルエッグ 400g』というのが定番で辛味のスパイスを振って食べています。
そして、完食すると「満足、満足!!」となるわけです。
これが、私の脳には記憶されているので、空腹時にココイチの看板を見ると『クリームコロッケ スクランブルエッグ 400g』を食べて「満足、満足!!」な自分を無意識に想像していますから、足を運ぶ確率が高くなります。
つまり、『クリームコロッケ スクランブルエッグ 400g』を食べる確率も当然高いと言えます。
さらに駅前にマックがあったり、横浜家系ラーメンがあったり、かつや、てんやなどがあれば、これを回避して帰宅するのは至難の業になってきます。
炭水化物や揚げ物が大好きな人からすると修行のようなものですよね。
おそらく途中にはコンビニもあるでしょうから、これも立ち寄らずに帰らなければいけません。
こういったあなたにとっての食事の誘惑をまず知っておきましょう。
便利さは欲求の解消ですから、欲求をコントロールできないうちは全てが誘惑だと思います。
もし、看板を見て興味を惹かれた瞬間に「あれ?なんで『クリームコロッケ スクランブルエッグ 400g(これのあなたバージョン)』が食べたいんだろう?」と一瞬でも考えてみてください。
すると、無意識の食欲に理由が必要になるので、食べたい意欲が少し下がります。
そして、ダイエットをスタートしたときに同じ誘惑に襲われたら、この言葉を思い出してください。
「食べてもいいけど、栄養バランスが悪すぎる」と。
なぜ、この言葉なのか?
まず、あなたがダイエットに意気込んでいる時の【余裕のなさ】【切羽詰った気持ち】を持たないことが大切です。
そして、【痩せるため】ではなく、【健康になるため】に食事を選んでいる感覚が好循環を生みます。
おそらく、ダイエットに必死で取り組んでいる人は
「こんな食事は食べちゃダメだ!!食べたらまた太るぞ!!」
と、ひたすら自分にプレッシャーを与えているはずです。
おあずけ状態が永遠に続くので気持ちが折れます。
だったら、食べていいんです。
その代わり、【量を食べすぎないこと】と【食事のバランスをとること】
この2点は守ってください。
脳の満足のさせ方を変えてあげることが重要なのです。
3.カラダを満足させてから脳を満足させる!?
『脳を使うこと』『考えること』はものすごくエネルギーを使うというのは知られています。
脳にとっても考え続けるのは疲れるし、過酷なことなんですね。
あなたが受験勉強中に1日10時間ぐらい勉強した経験があるかもしれません。
新しい環境でアルバイトをしたり、就職をしたときもそうだと思います。
おそらくものすごく脳が疲れたのではないでしょうか?
本来なら、考えないほうが脳にとっては楽なんです。
だから、楽するために感覚を優先しますし、ルーティンを作ろうとします。
食習慣というのはまさにそれで、毎食毎食、健康のことを考えて食事を作ったり、メニューを選んだりするのは脳が疲れるので『おいしい食事』を無意識に選択したほうが楽なのです。
ですが、【脳が満足する食事】はダイエットにはふさわしくありません。
そこで、1つ提案をしてみたいと思います。
それは、【カラダを満足させてから脳を満足させる】ということです。
どういうことかというと・・・
カラダが満足する食事を先に食べるのです。
例えば、野菜類、海藻類などの日常で不足しがちなものを最初に食べる。
そのあとで、脳が満足する食事を食べる。
脳の満足を我慢をさせるというわけではないのですが、楽しみを後にとっておく感じです。
実際、野菜類は食物繊維やビタミンが豊富ですし、海藻類はミネラルが豊富です。
不足しがちな栄養素をしっかり摂取することができます。
また、味付けに酢が入ることが多いので、唾液の分泌を促して消化を助ける働きもあります。
膨満感を得られやすいメリットもあるので、【脳が満足する食事】の食べすぎを抑える効果も期待できます。
食事量をいきなり改善するのは難しいかもしれませんが、野菜類や海藻類から食べる習慣を身につけてみてください。
脳が『野菜を食べたら肉が食べられる!!』
『海藻を食べたら天ぷらが食べられる!!』
というように今までおいしいと感じていたものを後回しする習慣がつくだけで、カラダにとっての満足は高くなります。
ダイエットでは野菜を食べることは欠かせません。
しかも、最初に食べることを推奨しています。
これは、どのダイエット方法でも頻繁に言われていることです。
【腸内環境を整える】【便秘の解消】【血液サラサラ】などの理由が有名ですよね。
掘り下げすぎてしまうと目的を見失ってしまうのでやめておきますが、
『ダイエットを効果的に進めるためには野菜を最初に食べましょう!!」
これだけを覚えておいてください。
【カラダを満足させてから脳を満足させる】のルールを身につければ、少し肩の力を抜いてダイエットを行えるのではないかなと思います。
【脳が満足する食事】の前に【カラダが満足する食事】を取り入れて習慣化できれば、脳は徐々にそれが自然になっていきますし、ダイエットも続けていけるはずです。
そして、慣れてきたら、少しだけ【カラダが満足する食事】を取り入れてみてください。
おそらく、あなたのカラダの変化に合わせて食習慣の変化も受け入れやすくなるはずです。
今回はここまでです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。